ブラジャー


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ラノベ下書き
ラノベを読んだら影響されたのでラノベを書きました。
萌え絵を付けてくれる人が居たら続きを書きたいですが、そこまでじゃないです。

タイトル未定

「えー。無理ですー。先輩のこと、そういう目で見れないんでー」
「えっ・・・ど、どうして?」
「だって、ショタコンだと思われたくないしー」

まただ。また駄目だった。
入社当時から可愛がってて、手取り足取り仕事を教えてあげて頼りになる先輩を演出して、おしゃれなイタリアンを食べながら悩みの相談を受けてあげて、ふたりっきりのオフィスで男らしい告白をしても駄目だった。
彼女は少し半笑いで「それじゃ、お先でーす」と言って帰っていった。

あの半笑いの様子だと明日の昼には会社中にこの話は伝わってるだろう。
ぼーっと窓の外を眺める。暗くて冷たそうな雨が降っていた。
「・・・辞めちゃうか。会社」
まあそろそろスキルアップの為に転職も考えてたし。貯金もあるし。少しゆっくりしたいし。
俺は勢いで課長に辞表をメールした。

思えばこの童顔のせいでめちゃくちゃ苦労してきた。
タバコはコンビニなんかじゃ買えないし、居酒屋に入るときは身分証明書が無いと絶対に無理。映画を見る時なんかも何も言わずに学生料金を請求される。
二十歳くらいまでは恋人も居たけど、それから先は「大人の男性として見れない」「中学生みたい」とか言われて、35歳の今まで彼女無し。

なんでだ。童顔ってだけでなんでこんな扱いを受けなくちゃいけないんだ。
会社帰り、家の近所のバー(ここのマスターはちゃんと俺の歳を知ってくれてる)でしこたま酒を飲み、泥酔で雨の中、傘もささずに帰路に着く。
ここで警察と会ったら間違いなく補導されるな。
そんな風に思いながらアパートに着くと、玄関の軒下に何かが居た。
どうやら人間の様子だったから、自分の事を棚にあげて「この酔っ払いめ!ここは俺んちだ!」と怒鳴り散らそうと覗き込んで、俺は息を飲んだ。

それは12、3歳くらい?の女の子だった。雨に濡れてなお光を放つ金色の髪に吸い込まれそうな青い瞳。色が無い、と言っていい程に白い肌。まるで人形みたいに整った顔立ちだった。外人かな?
少女はその瞳でじっと俺のことを見つめる。俺はたじろぎながらも言った。
「どうしたの?お父さんかお母さんは?」
「居ない。」
あ、良かった。日本語は通じるんだ。いや、全然良くないぞ。親とはぐれたのかこの子は。
少女は俺から目をそらし、自分の肩を抱いた。
よく見ると全身ずぶ濡れだ。6月と言ってもまだ雨は冷たい。
「ちょっと待ってて。今タオル持ってくるから」
そう言って家に入り、洗面所でタオルを取って振り返ると、真後ろに少女が立っていた。
あ、やばい。これはアレか?幽霊的なやつか?
腰が抜けて俺はその場にへたりこむと、少女はゆっくりと近づいて来た。
俺の頬に手を当てる。冷たい手。
そこで俺は、気を失った。

***

「というわけで。」
全然少女は幽霊とかじゃなかった。目の前に足が二本ちゃんとあるし、今だって普通にしゃべっている。
いや、普通じゃないな。何故か倒れてる俺を見下ろして、仁王立ちでしゃべっている。
「お前は晴れてあたしの奴隷となったわけだ。気分はどうだ?」
「何をバカなことを・・・」
立ち上がろうとすると、くらっと来た。貧血?首筋を触ると、小さな穴が二つ開いていた。
「お前みたいなバカでも、吸血鬼の存在は知ってるだろう?そして、吸血鬼に血を吸われたものは皆、その奴隷になることも・・・」
ま、まさか。ここで俺の人生おしまいかよ・・・絶望感が足から上がってくる。
「お前はあたしの命令ならばあらがうことは出来ない・・・。試しに、ホレ。裸で逆立ちをしてみろ」

「や、やめろ!」
少女は右手を上げ、まさに操り人形の糸があるかのように指を動かす
「ハッハッハッハ!抵抗出来ないだろう!さあ、服を脱げ!逆立ちし、あたしの足を舐めろ!忠誠を誓うのだ!」
「ぐ、ぐあああああ!」

・・・?

叫んでみたものの、何も起こらなかった。
少女と「ハテナ?」の顔でお互い首をかしげる。
「えーっと・・・」
貧血もおさまり、体を起こす。
「これって、なんかのいたずら?お譲ちゃん」
「そ、そんなバカな!」
そう叫んだ瞬間、自称吸血鬼の少女はお腹を押さえてその場にへたり込んだ。

「そういういたずらならおうちに帰ってからやんな」
と、腕を掴んで起こそうとしたら、ズルっと滑った。なんだ?手のひらを見ると、赤黒い液体。
「え・・・?」
自称吸血鬼の顔色がみるみる悪くなる。見ると、腹部からの出血がひどい。
「ちょ、ちょっとお前、これ!」
「さわぐな!少し休めば治る!」
「でもこんな血の量・・・!きゅ、救急車を!」
電話に走り寄った途端、目の前の電話が爆発した。

振り返ると少女は電話に向けて右手をかざしている。これはまさか、魔力的なもの?え、本物?
「あたしは誇り高き吸血鬼。あたしが大丈夫と言ったら大丈夫だ」
すぐに右手を腹部に当てる。かすかに右手が光っている。やばい。これ本物だ。

「何故お前があたしの奴隷にならないのかわからんが、まあいい。少し休ませろ。お前が奴隷にならなかった以上、あたしはこの傷が癒えたらここを出る」
苦痛に顔を歪めながら話す吸血鬼の少女。俺は黙ってうなずくだけしか出来なかった。

床に座って何か他の事も出来ず、俺は少女を見ていた。
10分くらい経つと少女は座っているのが辛かったのか、横になった。
もう10分程経つと手の光が弱くなってきた。顔を覗き込むと、呼吸が浅く、もう目も開いていない。
手の光が完全に消えた直後、吸血鬼は意識を失った。それと同時に、床に血の池が広がっていった。


***

遠くで雀の声が聞こえる。あー。朝か。今日から何もする事のない一日がはじまる。テレビ見てマンガ読んで夜中にコンビニ行って・・・と思い目を開けた瞬間、顔を手で鷲掴みにされた。

「い、いででででで!!」
アイアンクローのまま引っ張りあげられる。そのまま、足が浮くまで持ち上げられた。なに!なんだ!どういうことだ!

「おはよう。そして問おう。お前、どういうつもりだ?」
「ちょ、ま、い、いだ!いだい!!痛いって!!」
手が顔から離れ、床にたたきつけられた。見上げると、空中に浮いている少女が居た。
ああ・・・吸血鬼。昨日のは夢じゃなかったのか・・・

「あたしは昨夜、治療途中で意識を失った。そのまま捨ておけば命はなかっただろう。」
少女は腹部の包帯をひと撫でした。
「しかし、お前はあたしに止血処理をした。どういう魂胆だ?」
「放っておけないだろ。あんな苦しそうにしてたのに」

吸血鬼は死ぬほど呆れたという顔で言った。
「バカかお前は」
そんな言い方ないんじゃないでしょうかね。
「あたしが目覚めたらまた襲われるかもしれないという考えはなかったのか?」
「いや、まあ、そうかもしれないけど。あんな苦しんで、それでも生きようとしてるんだもん。ほっとけないよ」
「甘すぎて付き合ってられないな。・・・まあいい。あたしも気高き吸血鬼。手当ての礼として再度襲うのはよそう。他の奴隷を探しに行くことにするよ。」

吸血鬼はゆっくりと床に降りてきて、ドアへ向かおうとした瞬間。膝から崩れ落ちた。
「ほら、まだ回復してないんだろ。とりあえず寝てろよ。」
「くっ・・・」
「だいたい、どうしてそんな怪我をしたんだよ。吸血鬼って強いんじゃないのか?」
「・・・」
動けない少女を抱えてベッドに座らせた。少女はふくれっつらだったが、本当に動けなかったんだろう、無抵抗だった。しかし昨日も思ったんだけど、すごく軽いな。
このくらいの歳の子ってみんなこんな軽いんだろうか。いや、決して俺はロリコンじゃないです。決してロリコンじゃないんですけど、まあ、この子はかわいいよね。
そんな俺のどうでもいい考えを無視して、少女はシリアス顔で口を開いた。
「・・・少し話をしてやろう。」


―――中世からヨーロッパで恐れられてきた吸血鬼は空想上の存在ではなかった。彼らは人間の体液から栄養を摂取する。血液でも、唾液でも、涙でも。かみつき、魔力を注入する事により人を操り人形にすることが出来るが、多くの吸血鬼は人間を傷つける事を良しとしなかった。大部分の吸血鬼はひっそりと、理解ある人間と共に暮らしていた。

しかし、人間はその存在を許さなかった。人間の中でハンターと呼ばれる者達は吸血鬼を次々と殺して行った。中世から現代に移り、科学が発展し、吸血鬼は完全に狩られる側の存在となっていた―――

「というわけで、はるばる日本まで逃げてきたが、やつらは未だにあたしを殺そうと追いかけてくるわけだ。」
完全においてかれた。いやー、全く話についていけませんでした。中世とか言うんだもん。ヨーロッパとか言うんだもん。そりゃ無理っすよ。俺、グアムしか行ったことないし。
「ええと、それで、なんでお前らはハンターってのに狙われてるの?」
「吸血鬼の牙は死してなおその力を持ち続ける。人を意のままに操れるお宝だ。やつらはそれが狙いだ」
「つーことは、お前は人間の私利私欲の為に狙われてるってこと?」
「そういうことだ」
聞かなきゃ良かった。こいつ、すげーかわいそうな境遇じゃん。
「そっか。・・・なんか人間が、ごめんなさい」
「それがヒトの業だ」
あきらめたように少女はため息をつく。

まあ、そんな事言われたらな。俺も暇だし、仕方ない。
「そんじゃあ、まあ、しばらくは家に居てもいいよ」
「なんでだ?お前そこまで溜まってるのか?それとも真性のロリコンか?」
「ちげーよ!」
ついツッコミを入れてしまった。こめかみをおさえながら続ける。
「お前の状況には同情すべき点は多々あるし、乗りかかった船だからな。守ってやるとまでは言えないけど、まあ、かくまってやるよ」

そう言った瞬間、少女の目から涙が溢れた。
え、なんで。
すると少女はぼろぼろと泣きながら口を開いた。
「お前・・・どこまで甘いんだ!あたしは・・・あたしは・・・!」
抱きついてくる少女を受け止める。軽い。
心の中が罪悪感でいっぱいになった。こんないたいけな少女を人間は自分の為だけに殺そうとする。自分がその人間という種族に含まれている事が、申し訳なかった。
「ごめんな・・・。もう大丈夫だからな・・・」
「あたし、こんな優しくされたのはじめて・・・」
きゅんときた。そんで、ついこんな事を口走ってしまった。
「俺に出来ることなら、なんでもしてやる」
「なんでも、と言ったな?」

少女は俺の体から離れた。さっきまでの可愛い泣き顔は、何か悪そうな顔に変わっていた。あごに手を当てて少し考え、少女は口を開いた。

「それでは、この近くの高校にあたしと一緒に入ろうじゃないか」
「はぁ?」
こいつは一体何を言っているんだ?俺の顔を見て少女はやれやれと言わんばかりに説明をした。
「吸血鬼はな、若い処女の体液が好物なんだ。わかるかバカ」
語尾にバカって付ける必要ないだろ。
「はい。それで?」
「若い処女がいる所って言ったら高校とかだろう?」
「まあ、おおむねそうだな」
「だから、一緒に行こう」
「だからじゃねーよ。その『一緒に』の所がわかんねーんだよ」
「なんでもするって言ったじゃないか」
「限度ってあるだろ」
「・・・わかった」
少女は残念そうにうつむいた。この子は可哀想だけど、さすがにそれは。

「・・・それじゃあ、傷が治ったらここを出る事にする。お前への恩は忘れないぞ。お前の評判が上がるように近所の人に『あそこのおうちのお兄ちゃんに抱かれてやさしくされたの。ちょっとだけ血が出たの』と言って周ることとしよう」
「・・・それは、脅迫しているのか?」
「大枠で間違ってはいないだろう?」
にやり、とする少女。
「いやいやいや、色々と問題あるだろ」
「問題などありゃあせん。お前の見た目は16やそこらだし、偽の戸籍や書類を作るのはあたしは得意だし」
そう考えるとあまり問題は無いな。しかもちょっとこの状況が楽しくなってきたのも事実だった。

「よし。わかった。付き合うよ」
「ホントか!?」
「ああ。ちょうど会社も辞めて暇だったしな」
「やった!それじゃあ早速色々準備しなくちゃな!15世紀のヨーロッパを恐怖で支配した闇の女王を満たすため、しっかり働いてもらうぞ!!」
「お前、良い吸血鬼じゃなかったのかよ!!」

こうして俺の2度目の高校生活が始まった。



という夢を見た。



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